こんにちは、ザプラです🌜
最近、ハリポタのゲームである「ホグワーツレガシー」が流行していますね!夏にはとしまえん跡地にハリポタのウォークスルー型のエンターテイメント施設もオープンしますし、日本にもハリポタの波が押し寄せている気がします…🪄
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ハリーたちと共に成長してきた年代である私としては乗るしかないわけですよ、このビッグウェーブに🌊🏄♂️
というわけで、昨年7月に行っていた舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」の観劇レビューを書くために、2月にもう一度観劇してきました😉
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』とは
「呪いの子」のあらすじは後述しますが、ハリポタのラストから19年後のストーリーです。原作者のJ•K•ローリングが脚本を書いたオリジナルの舞台で、2016年のイギリスでの公演を皮切りに、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本の5カ国でロングラン上演を続けています。ブロードウェイでも演じられた演目だとお伝えすると、なんだかすごいんじゃない…?!と思えますよね。
日本ではTBS開局70周年を記念して、ホリプロと共催で始まりました。今公演のために一新された赤坂ATCシアターで、2022年7月8日から無期限で上演しています。
以前の記事でも紹介したのですが、ATCシアター及び周辺はまるっとハリポタ仕様になっています!カフェやグッズショップ、タイムターナーのオブジェなど歩くだけでも楽しいですよ♪
あらすじ
ハリー、ロン、ハーマイオニーが魔法界を救ってから19年後、かつての暗闇の世を思わせる不穏な事件があいつぎ、人々を不安にさせていた。 魔法省で働くハリー・ポッターは いまや三人の子の父親。 今年ホグワーツ魔法魔術学校に入学する 次男のアルバスは、 英雄の家に生まれた自分の運命にあらがうように、 父親に反抗的な態度を取る。 幼い頃に両親を亡くしたハリーは、 父親としてうまくふるまえず、 関係を修復できずにいた。 そんな中、アルバスは魔法学校の入学式に向かう ホグワーツ特急の車内で、 偶然一人の少年と出会う。 彼は、父ハリーと犬猿の仲である ドラコ・マルフォイの息子、スコーピウスだった! 二人の出会いが引き金となり、 暗闇による支配が、加速していく・・・。 -公式HPより-
ということで、ハリーの子世代のお話です。
ジェームズやシリウス、セブルスなどの親世代や創始者世代などがお好きな人は「呪いの子」、おそらくツボですよ!スピンオフ感が半端ないですし。大人になったハリーたちに出会えるだけでもドキドキしますしね。
私は書籍化された脚本を以前に読んでいたので、ストーリーは知った上での観劇でした。これから観劇される方には書籍を先に読むことをおすすめします。なんせ展開と台詞回しが非常に、ひじょ〜〜〜〜に早いので、話の理解でいっぱいいっぱいになってしまうかもしれないのです…💦
追加で見ておくといいハリポタの作品は、『秘密の部屋』と『炎のゴブレット』です。
事前知識なしでの観劇も復習が楽しくなるとは思いますが、予習して観劇に臨むと、大満足な観劇体験になること間違いなしですよ!
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公演概要
- 開場時間 上演開始の45分前
- 上演時間 3時間40分
- 休憩時間 20分
座席について
座席区分はC席からSS席と特別席があり、料金は最安値で7,000円、最高値で22,000円します。
座席表はこちらです。
私は2回の観劇どちらもS席(15,000円)で、1階席。7月はP席14番、2月はS列1番でした。(追記:2024年2月は2階A列22番で観劇しました)
1階席それぞれの見え方はこんな感じです。
舞台全体を俯瞰しつつ、ほどよくキャストさんの演技が見られるバランスの取れた座席かと思います。
やはりセンターブロックの方が見やすくおすすめですが、最下手でも人が見切れることはなく、十分楽しめますよ😊
ですが、流石にこの位置だと細かな顔の演技は見えづらいので、キャストさんの演技が見たい!という方は、オペラグラスがあるとよいですね。
ずっと観たかった2階席のセンブロ最前はこんな感じ。理由はネタバレ有の項目でお話ししますが…!
2階でも1列目だと近く見えますが前の柵が視界に入るので少し気になります。ただ、後述する臨場感はとってもあります!
次観るなら2階の下手でもいいかなあと思ってます。
他の座席もこんな感じです。
1階上手
1階センブロ後方
2階下手後方
他の写真もこちらで掲載しています。
観劇レポート
ストーリー(ネタバレ有)
1幕
はじまりはホグワーツ特急の駅から。
寮の振り分けを不安がるアルバスを励ますハリー。「スリザリンだったらどうしよう…」「帽子が望むところへ入れてくれるさ」…親子そろって一級フラグ建築士です。
ホグワーツ特急内で一人避けられて座っているスコーピウスと出会い、仲良くなるアルバス。ローズとはこれが原因で疎遠に。
学校での組分け。ローズはグリフィンドール、スコーピウスはスリザリンへ。そしてアルバスは…スリザリン。どよめく観衆と複雑な気持ちのままスコーピウスの元に駆け込むアルバス。ここから学校生活がものすごいスピードで進んでいきます。
「ハリー・ポッターの子ども」なのにスリザリン。そして「ヴォルデモートの子どもではないか」と噂されるスコーピウスと友達ということであからさまにいじめを受ける毎日。アルバスは次第に暗く、内向的でひねくれた言動を繰り返すようになります。
そんなアルバスを心配し励ますハリーですが、英雄であり、学校に楽しい思い出の多いハリーのお門違いな助言にアルバスは年々苛立ちを募らせていきます。
4年生を目前にしたある日、家にセドリックの父親である、エイモス・ディゴリーが訪問してきます。
エイモスはハリーの勤務先である魔法省がタイムターナー(逆転時計)を押収したという噂を聞きつけ、それを使ってセドリックを生き返らせてほしいと頼みます。
セドリックの死に責任を感じているハリーですが、「そんなものはないし、過去を変えることはできない」と断ります。
一連の話を盗み聞きしていたアルバスは、エイモスの姪と名乗るデルフィーと出会い、仲良くなります。
学校に戻る直前、ハリーは兄のジェームズに透明マントを、アルバスにはハリーが赤ん坊の時のおくるみに使われていた毛布をお守りがわりにとプレゼントします。
思春期真っ只中のアルバスはこの毛布をぞんざいに扱って嫌味をぶつけ、ハリーはついに「おまえが息子でなければいいのに」と言ってしまいます。
ハリーと険悪な関係のままホグワーツに向かったアルバスですが、特急内で、タイムターナーの噂が本当でありハリーがエイモスに嘘をついていたことを知ります。アルバスは事情を知らないスコーピウスと共に真実を告げるべくエイモスの元へ向かいます。
「よけいもの」として殺されたセドリックは本当は死ぬべきでなかった人であり、ハリーのオマケのように扱われる気持ちが痛いほどわかるアルバスは、本気でセドリックを救いたいとエイモスを説得します。
まず時間を遡るために必要なタイムターナーを手に入れるために、アルバス、スコーピウス、デルフィーの3人は魔法省に。アルバスはロン、スコーピウスはハリー、デルフィーはハーマイオニーに変装し、なんとかタイムターナーを盗み出します。
そして、セドリックが死なないためには三校対抗試合で勝ち進まないようにするのが良いということで、彼の邪魔をすることに。危険が伴うためデルフィーは置いてアルバスとスコーピウス2人でタイムターナーを使って過去に戻ります。
第一の試合でセドリックの杖をエクスペリアームスで奪い、妨害に成功した2人。どうやら時間に制約があったようですぐに現在に戻されましたがその時にアルバスが負傷します。現実では2人を探していたドラコやハリー、ジニー、ロンが駆けつけます。
現実ではセドリックは復活しておらず、ロンとハーマイオニーは結ばれていない世界線になっていました。そのためローズは存在しません。自分たちの行いでローズの存在を消してしまったことに衝撃を受ける2人ですが、過保護毒親化したハリーによって2人は引き裂かれてしまいます。
というのも、ハリーはアルバスを探している最中にケンタウロスのベインから「アルバスの周りに黒い雲が見える」という不吉な予言を賜っていたのです。傷がまた痛み出していたことも重なり、黒い雲=(ヴォルデモートの子だという噂のある)スコーピウスだとハリーは解釈していたのでした。
暫く引き離されたままの2人でしたが、そんな折、ドラコがスコーピウスの出生の噂について、誤解を解くように働きかけてほしい旨をハリーに頼みにきます。ハリーがその噂を信じていると知ったドラコは怒り、戦闘になりますが、ジニーによってその場を収められます。ジニーにアルバスとしっかり話をするように説得されたハリーは学校へ向かいます。
一方学校では、スコーピウスとアルバスがぶつかりながらも再び友情を築き直し、現状を変えるべくタイムターナーを使って過去に戻ります。
今度は第二試合の場面です。2人はここでもセドリックの邪魔をし、ロンとハーマイオニーが互いに恋愛感情を持つきっかけを作り(前回この機会を奪ってしまった為に現在に影響が生じた)、現在に戻ります。
スコーピウスは中々水面から戻らないアルバスを心配します。そこへまさかのアンブリッジが校長として登場。なんと、ハリーがヴォルデモートとの戦いに敗れて死に、闇の魔法使いが支配する世界線となっていたのです。
2幕
闇の魔法使いの支配する世界で、スコーピウスは率先してマグルを迫害している冷徹な純潔のリーダー「スコーピオンキング」だったようです。本来の目的であったセドリックは生きているものの、第二試合で恥をかいたことが起因して性格がひん曲がり、闇の魔法使いになってしまっていました。そして、最後の戦いでナギニを倒すはずだったネビルを殺してしまったのです。戦々恐々とするスコーピウスは、この世界線ではまだ生きているスネイプを頼みの綱として全てを打ち明けます。
スネイプはスコーピウスを不死鳥の騎士団の隠れ家に案内します。そこでハーマイオニーとロンに出会い、もう一度タイムターナーを使うために協力を仰ぎます。
今まで変えてきた過去を無かったことにするために、スコーピウスらは「第一試合を邪魔をしようとしているアルバスとスコーピウス」の邪魔をします。現実に戻るとアンブリッジやディメンターがお尋ね者のハーマイオニーやロンの命を奪います。裏切りがばれたスネイプはスコーピウスにタイムターナーを使う時間を稼ぎ、死んでしまいます。スコーピウスは第二試合に移動し、過去のアルバスとスコーピウスの邪魔をして、現実に戻ります。
現実に戻るとすべてが元に戻っていました。スコーピウスとアルバスは全ての事情を親に話して謝罪し、親子の仲も改善します。
穏やかな時間が流れる中、アルバスとスコーピウスはタイムターナーを壊す決心をします。実行の日、その場にはデルフィーの姿が。アルバスが気を利かせてデルフィーを学校に呼んでいたのです。
スコーピウスから闇の魔法使いが支配する世界線の話を聞いて様子がおかしくなるデルフィー。2人を魔法で拘束し、その世界線を復活させようと2人に強要してきます。実はデルフィーはエイモスの姪ではなく、ヴォルデモートとベラトリックスの子どもだったのです。デルフィーはたまたま居合わせたアルバスらの同級生をアバタケタブラで殺してしまいます。
タイムターナーを使って第三試合に移動した3人ですが、セドリックの助けもあり、デルフィーはなかなかハリーを殺せませんでした。痺れを切らしたデルフィーはハリーが赤ん坊の頃に移動し、タイムターナーを破壊して2人の前から消えてしまいます。
アルバスとスコーピウスは知恵を絞って現実にいるハリーやドラコら親に助けを求めます。そこで役に立ったのがハリーがアルバスにプレゼントした毛布でした。アルバスがハリーと喧嘩した日、毛布に惚れ薬がこぼれてしまったのですが、過去にいる2人は惚れ薬に反応する薬品を毛布にまぶして助けを呼ぶ文字を記したのです。
現実にあるハリーはそれに気づき、ドラコが隠し持っていた完全版のタイムターナーを使ってジニー、ハーマイオニー、ロン、ドラコとともに過去に移動し、アルバスらと再会を果たします。
デルフィーを止めるために彼女の目的を探る面々。彼女はハリーを殺して闇の魔法使いの支配する世界を作りたいのではなく、ただただ「父親であるヴォルデモートに会いたい」のではと気づいた面々は、ハリーをヴォルデモートに変身させてデルフィーを誘い出そうとします。
まんまと炙り出されたデルフィーとの激闘の末、ハリーらは勝利します。「過去は変えるべきではない」ため、ヴォルデモートに両親が殺されるのを見つめることしかできないハリー。それでも両親の最期を見届けて現実に戻ります。
現実では元どおりの日常が流れています。ローズをデートに誘い断られるスコーピウス。ハリーに誘われて散歩をするアルバス。ハリーは毎年セドリックの墓参りをしているのでした。
自分の一連の行いのせいで罪のない同級生を死なせてしまったアルバスは、そんな父親の苦悩を理解し、歩み寄ります。ハリーもまた、よき父親、等身大の関係になる努力をすると約束し、2人は和解し幕を閉じます。
全体の感想(ネタバレ有)
まず特徴的だったのは、とにかくセリフや展開が早い、ということ。某メンタリストが「人に集中して話を聞かせるには早口で話すといい」と言っていたことを踏まえると、3時間40分をできるだけ集中させるための戦略なのかな。話を知らない人からすると、あまりに目まぐるしく時と話が流れていくので置いてけぼりにされると感じるかもしれない…。前述しましたが、ぜひ初見の方は書籍で予習して臨んでほしいです!
残念な点をいえば、ヴォルデモートを「ヴォルデモー」と呼ぶところでしょうか。早口に耐えるようにそうしているのかもしれませんが、ハリポタを吹き替えで見ている勢は違和感しか感じない。毎回「ヴォルデモー」の名前が出てくるたびに頭に「?」が出てきてしまいました。
さて、アルバスとスコーピウスくんの関係性がブロマンス的で素敵だとか、what if…的な別の世界線を見れる胸熱展開とか、スネイプ先生が生きて、、動いて喋っている姿が見られるとか、、、そういう諸々のストーリーの感想は書籍を読んだときと大体は同じです。呪いの子はいいぞ。
そこで舞台で観て、より強く感じたこと、舞台だからこそ感じたことをあげつらっていきます。
①ハリーの毒親感が増し増し。
動いて喋っているとより感じますね。早口だから余計そう感じたのかも。ドラコやマクゴナガル校長に対する態度がマジモンのそれです。『ハリポタ』シリーズの時から思いこんで突っ走る思考ロック的なところはもちろんあったし、彼の父親であるジェームズもガキ大将だったので、純粋な善キャラでないのは分かっていました。が、それがものの見事に悪影響を与えていて、「ハリーファン息してるかな…」と心配になるレベル。
彼は幼い頃に実父を亡くしており、親殺しをして自己同一性を獲得する思春期青年期には親代わりだったシリウス、ダンブルドア、スネイプが他者によって殺されている。だから規範を検証して内面化することが困難な状況で大人になった。父親としてアルバスに規範を提示するときには、見本がないまま、検証されていない自分の規範を提示することしかできないわけですよね。そこにコンプレックスがあるため、「自分には父親がいなかった」と言い訳するしかなかった。
彼を見ていてふと自分の祖父と父親を思い出しました。祖父は以前「俺は幼い頃に親父を亡くしてるから、父親がどんなもんなんかわからんねや。だから息子…お前の父さんにどう接していいかわからんままこの歳まできてしもた。」と寂しそうに言っていました。そして父親はというと…私が幼いころから繰り返し言われていた言葉があります。「俺はお前らに『父親』として接してきたことは一回もない。教師として接してきた(職業:教師でした)」というものです。
身近に似たような2世代がいるからこそ、ここがよく響きました。(私が父子関係の卒論を書いたのも、影響しているのかも…!)
②ローズちゃんの性格が悪くみえる!
本だとそんなに感じなかったのですが、舞台だとアルバスをいじめる子たちと行動を共にしていたり、一緒にからかって笑ったりしているので、幼馴染なのに、ロンとハーマイオニーの子どもなのに、、なんてひどいやつなんだ…と感じてしまいます。聡明さ故か、肩書きや権力に媚びるような言動もあって、お前さんの母ちゃんが「穢れた血」と言われていた事実をもっと噛み締めてくれと言いに行きたい気持ちを堪えていました。
③スコーピウスくんとドラコを全員が好きになる!
スコーピウスくんは、ドラコがヴォルデモートと自分の妻の間に設けさせた『ヴォルデモートの子』だという噂&デスイーターの父を持つという理由で人から避けられた結果コミュ障拗らせてる系男の子なのですが、本で読むよりずっとリアルでオタク気質なコミュ障でした。(早口で捲し立てたり、セリフの最後に「でゅふふ」という声が聞こえてきそうな感じです。)
勝手に自分を巻き込んでおきながら、大変な目に遭っているスコーピウスくんのことを気にもかけずに自分のことばっか考えて、さらにはお前のせいで俺の人生めちゃくちゃ(意訳)とか言ってくる親友を最後まで献身的に支え続け、変人ぷりで笑わせてくれるこの感じ…堂々のMVPですよ。
父親のドラコ・マルフォイ、しっぺ返しが来ていると言われればそれまでですが、今は自分が他者から蔑まれる経歴を背負っています。だからこそわかるんですよねどちら側の気持ちも。自分の行いを悔いて恥じているからといって、過去を変えてもその事実(世界線があること)が変わらないことを一番分かっている。だからこそ、タイムターナーを持っていても死んだ妻を蘇らせることもしなかった。現実の世界で一番誠実に現状に向き合って対応している大人ですよ彼は。
演出・舞台装置など(ネタバレ有)
全体を通して言えることは、明暗の使い方が非常にうまいということ。
舞台の後方床に、斜め前方に向かって光る小さなライトがライン状に埋め?られており、そこより後ろは全く見えないようになっています。また、前方で演技をする際には、前後左右にある照明で長方形の光が当たるところを作り、照明の当たっていないところで人を持ち上げたりしていました。これが全く見えない。本当に魔法のようです。
場面転換にはマントがうまく使われています。通りすがりの人たちがマントをバサっとはためかせ(バサッという音響あり)、暗転なしでも場所の移動などを表現しています。これがまた展開の早い舞台をうまく切り分ける働きになっていました。
マントで移動させる大道具を隠したり、手紙を魔法のように離れた人に渡しているように見せるための視点のミスリードをしたり…。アルバスらがポリジュース薬を飲んでロンたちに変身する様子を表現するときには、せりあがりの床の上に大きめの服を着たアルバスらが立ち、マントの中で少しずつキャストが入れ替わっていました。せりあがりの床とマントがユニフォームである魔法使いは舞台での親和性が高いですね♪
後の演出はざっと列挙してみますね。
組み分け帽が宙に浮いており、組み分け帽(擬人化)がその帽子を取って頭にかぶります。糸などは見えません。仕組みが気になる…!
舞台中央に円形の回転床があり、そこに荷物を一列に配置し、汽車内を表現。回転と逆に歩いて徒歩シーンを表現したりもしていました。
ダンブルドアの肖像画が出てくるのですが、額縁は上から吊り下げられ、ダンブルドアはキャストが舞台後方から歩いて額縁の中にきます。これぞ動く肖像画という感じ。額縁の外にある下半身が見えないのがまた不思議。
ダンブルドアが魔法をかけると舞台の枠が移動して森?神秘的なセットになります。
学校の階段は2つあり、生徒たちが人力で押して移動させます。これも押している感じがあまり気にならないように動いている&視点の誘導があります。階段は様々な組み合わせができる作りで、海外の舞台の演出だなと思う瞬間でした。
ベインは黒子とキャストさんの複数で演出。大きさがよく伝わりますし、人外感がしますね。
舞台の最前中央には床下にプールが設けられていて、たった2回のためだけに使われます。ぜ、ぜいたく…そしてアルバスとスコーピウスくん役のお2人は毎回びしょびしょに…。早着替えとか裏事情がすごく気になりますね。
第二試合の池?でセドリックを邪魔するシーンでは、潜水艦の窓のような丸くくり抜かれた形の幕が降りてきて、上から吊り下げられたアルバスとスコーピウスくんの代役が泳いでいるムーブをしていました。
吊り下げられると言えば、ディメンターのシーンは本当に怖いですね。客席上方にこのようなキャットウォークと吊り下げ装置があり、ここからディメンターが降ってくるんです。
ディメンターはでかいし、布が何重にも重なっていて実態のあやふやな幽霊のような感じがしますし、縦横無尽に飛び回ってくるので、子どもが見たらまず固まるか泣きます。
ちなみに舞台上にいるディメンターは、魂を吸い取り切ったハーマイオニーらをうまくディメンター役の身体と繋いで、一緒に上方へはけていきます。キャストさんすごい体力いるな…タイミングの練習とかも…。
嘆きのマートルがいる女子トイレのセットが本物そっくり!そのシーンのためだけに用意したのかと考えると本当に金がかかっていr…素敵です!
タイムターナーを使うときの演出もすごいですよ。まずタイムターナーがキラキラしていて綺麗なのと、宙に浮いているように見えるんです。そして時が変わる演出は音と水面に水滴が落ちたときの波紋のように舞台全体が波打つ照明。舞台上部や後方に設置されているあらゆる時計が光って進みたい時間の向きに針が動いていくのです。なんと細かい。
一番驚いた(もとい金かかってる〜!!?!!?)のは、デルフィーの部屋のシーン。舞台外にある煉瓦造りの壁と客席を囲む壁一面に、ブルーライトか何かで光るペイントが仕掛けられているのです。まるで刑務所にいる精神を病んだ人が壁一面に文字を書いているような、そんなたくさんの文字がぶわぁっと出てくるんですよね。鳥肌ものですよ。
そして一番最後のシーンの夕日に照らされたかのようなライティングがめっっちゃくちゃエモいです。舞台のライティングでここまで綺麗な西日(実際に下手から光が照らされます)を感じたことはありません。このライティングのまま終演するのも(幕が降りない)好きポイントです。
その他、写真撮影可能なときに撮った舞台の写真をどうぞ。
キャストについて(ネタバレ有)
あまりにも長くなってきたので、ざっくりしたキャスト感想と比較で締めたいと思います!
右が7月17日、左が2月4日公演のキャストです。
- ハリー・ポッター 藤原竜也、石丸幹二
- ハーマイオニー・グレンジャー 早霧せいな、中別府葵
- ロン・ウィーズリー 竪山隼太、エハラマサヒロ
- ドラコ・マルフォイ 宮尾俊太郎
- ジニー・ポッター 馬渕英俚可
- アルバス・セブルス・ポッター 福山康平
- スコーピウス・マルフォイ 門田宗大
- 嘆きのマートル/ポリー・チャップマン 美山加恋
- ローズ・グレンジャー・ウィーズリー 橋本菜摘、佐竹桃華
- デルフィー 岩田華怜
- 組分け帽子/ペイン 木場允視
- エイモス・ディゴリー/ダンブルドア/スネイプ 福井貴一、篠原正志
- マクゴナガル校長/アンブリッジ 榊原郁恵、高橋ひとみ
①ハリー役
藤原竜也ハリーはたまに藤原竜也が出てきます。が、観客も期待している節もあるのでそれでいいんじゃないかと思います。ユーモアがあるように感じるので毒親感はまだマシです。あとすごく光属性を感じました。
石丸幹二ハリーは比較して堅い、厳格な雰囲気があります。正直私が子どもなら逆らえない。そう感じさせてくれますので毒親感強め。早口演技より、普通の喋りでの演技を見てみたいと思える方ですね。舞台的な演技力が高いのはこの方なんだろうなぁという雑感です。
②ハーマイオニー役
早霧せいなイオニーはギャグの対応力強い気がします。ポリジュース薬のくだりがすごく面白かった思い出が。あと細くて綺麗。
中別府葵イオニーは母性が溢れてました。こんないい母ちゃんいるんだからローズはもっとまともに育ってくれ。あと細くて綺麗。
③ロン役
竪山隼太ロンはザ・ウィーズリー家の大人。映画の世界から出てきたロンパパそっくりでした。真面目にしてても面白い、みていると和む感じでしたね。
エハラマサヒロンは比べて少し堅かったかなあ。面白いことをしてくれる!というこちら側の期待値が勝手に高いからかもしれません。ドッと笑わせてくれる感じがありました。
④ローズ役
橋本菜摘ローズは最初子役だと思っておりました。それくらい子役ムーブがうまい!天真爛漫さが出ていたように思います。
佐竹桃華ローズはエキストラの中でも人目をつく演技をされていたのが印象でした。だからこそローズてめぇ…となったわけですが、役者さんとして演技力が高いということ!佐竹さんも子役にしか見えない…近くで見たら違うのかしら。
⑤エイモス・ディゴリー/ダンブルドア/スネイプ役
福井貴一さん。え、このキャラクターたち同じ役者なの!?とびっくりしました。今でも信じられていません。演じ分けの鬼ですね。特にダンブルドアが本物でした。声も佇まいも話し方も全て映画通り。とても研究されたんじゃないかと思います。
篠原正志さん。スネイプ先生の人間味がよく感じられました。線が細いので勝手に心労でやつれちゃったんだねスネイプ先生…なんて勝手に解釈したりもさせていただきました。
⑥マクゴナガル校長/アンブリッジ役
榊原郁恵さん。母性あるマクゴナガル先生でした。親子ともども温かくも厳しく接してくれてありがとうと言いたい。アンブリッジ先生も黙ってれば癒しでした。喋ったら怖いけど。
高橋ひとみさん。比べてヒステリックな雰囲気がありました。アンブリッジがよく似合ってました!めっちゃ嫌いなあのアンブリッジだ〜!!とニヤニヤしちゃう感じ。
あとはお一人しか見ていないキャストさんたちばかりですがざっくり感想をば…。
ジニー役、馬渕英俚可さん。母強し。ジニーといえば大人しいイメージでしたが、やはりウィーズリー家の女。ドスの効いた制止が気持ちいいです。ハリーの妻であることの難しさや精神的支柱にならざるを得ない故の強さが滲み出ていました。
アルバス役、福山康平さん。見た目がまず理想のアルバスですありがとうございます。声が少し高めなのが少年らしさ感じて可愛いですね。じめじめした演技が上手ですがさっぱりもしている。そんな雰囲気です。
スコーピウス役、門田宗太さん。見た目が王子様なんですが、気持ち悪いオタク気質なインキャの演技が上手すぎます!!本を読んだときにスコーピウスくんに美化したイメージを持っていたのですが、そうそう現実の負け組の表現ってこうだよね、と分からせてくれる。間の取り方もお上手だった気がします。
デルフィー役、岩田華怜さん。女こええを体現したかのような二面性。アクションで吊り下げられているときはやはり少し演技力が落ちるような気がするものの、難しい役どころをしっかりと演じておられます。ヴォルデモートへの必死なアプローチはホストに依存するメンヘラ地雷系女子を彷彿とさせます。
組分け帽子役、木場允視さん。無生物役って難しいですよね。私もあまり出会ったことがないのでなんともいえないのですが、うまく存在感を消しつつ、それでいて可愛さを感じる個性を出しつつ、、物語の案内人のようなそんな役割を上手く演じていらっしゃった気がします。
さて、個人的MVPに移りましょう。お二人います。ドラコ役、宮尾俊太郎さん。嘆きのマートル役、美山加恋さんです。
まず宮尾ドラコ、佇まいが純潔すぎます。姿勢良い、ルシウスを彷彿とさせつつも、苦労が滲み出ているそんな哀愁漂うイケおじです。あのお顔ツルツルお坊ちゃんマルフォイがこんなくたびれつつも育ちのよさ醸し出すおじさんになるだなんて…想像の百億倍好きです。そして何よりも声がめっちゃイケボ!!喉かっぴらいていてその上深みのある大人の声…是非一度劇場でお聴きください惚れますよあのマルフォイに…。一番役にはまっている気がします。
続いて美山ートル。こちらも本物。あの仮面ライダー電王での可愛い幼女はどこに?というくらいマートル。加恋ちゃんもすごく研究されたんじゃないでしょうか。気持ちの悪い(褒めてる)動きといい、ねっとりした話し方といい、笑い方といい、どこをとってもマートルでした。
長くなってしまいましたが、総じて本当に最先端の素晴らしい舞台だと思いますので、ぜひぜひ一度劇場に足を運んで頂きたいです!舞台はナマモノ。今を逃すと二度と見られませんからね!!!
それでは、よい観劇ライフを😉✨🪄
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